
「へびつかい座って消えたんじゃないの?」と思ってませんか。
1990年代の13星座占いブームや、NASA関連のニュースをきっかけに、「へびつかい座がなくなった」という誤解が広まりました。
しかし結論から言うと、へびつかい座は天文学上も現在も存在しています。
この記事では、へびつかい座がなぜ消えたと言われるようになったのかを、天文学と西洋占星術の違いから分かりやすく整理します。
読み終えるころには、13星座と12星座のモヤモヤがきれいに解消しているはずです。
へびつかい座はなぜ消えたと言われるのか

「へびつかい座は消えたのか」という疑問に対する答えは、とてもシンプルです。
へびつかい座は天文学上、一度も消えていません。
ではなぜ「消えた」と言われるようになったのか、その背景を順番に整理していきましょう。
へびつかい座は本当に消えたのか
まず結論から言うと、へびつかい座は現在も存在している正式な星座です。
国際天文学連合が定める全天88星座のひとつとして、今も夏の夜空にしっかり描かれています。
つまり、「星座として消滅した」という事実はありません。
ここで混同しやすいのが、天文学上の星座と占いの星座の違いです。
天文学は実際の空の区画を扱いますが、占いは歴史的なルールで区切られた枠組みを使っています。
この違いを理解しないまま情報が広まったことで、「消えた」という言葉だけが独り歩きしました。
| 項目 | へびつかい座の現状 |
|---|---|
| 天文学 | 全天88星座のひとつとして現在も存在 |
| 太陽の通過 | 11月末〜12月中旬ごろ実際に通過 |
| 12星座占い | もともと採用されていない |
| 13星座占い | 一時的に組み込まれた |
表を見ると分かる通り、「消えた」というより占いの枠組みに定着しなかったというのが正確な表現です。
13星座占いブームが終わった理由
1990年代半ば、従来の12星座にへびつかい座を加えた「13星座占い」が話題になりました。
当時は「あなたの星座が変わるかもしれない」という刺激的な切り口で一気に広まりました。
しかし西洋占星術の伝統を重んじる占星術師の間では、13星座占いは正統ではないという批判が強かったのです。
西洋占星術は古代から続く12分割の体系を基盤にしています。
これは円を12等分することで季節や暦と対応させるという、非常に完成度の高い仕組みでした。
そこに13という数字を無理に入れると、理論全体が組み直しになります。
例えるなら、長年使ってきたカレンダーを突然13か月制に変えるようなものです。
結果として、話題性はあったものの主流にはならず、ブームは静かに終わりました。
この「ブームの終了」が、「へびつかい座が消えた」という印象を生んだ大きな理由です。
NASA発表が広めた誤解の正体
2016年ごろ、「NASAが13星座に変更した」というニュースが拡散されました。
しかし実際にNASAが説明したのは、地球の歳差運動という天文学的な現象です。
歳差運動とは、地球の自転軸が約2万6000年かけてゆっくり円を描く動きのことです。
この影響で、古代と現代では太陽の見える位置が少しずつずれています。
その結果、現在の太陽の通り道にはへびつかい座も含まれているという事実が紹介されました。
ですが、NASAは占いの星座を変更したわけではありません。
「へびつかい座が消えた」のではなく、「占いの話と天文学の話が混ざった」ことが誤解の原因です。
情報が短い見出しだけで拡散されると、本来の文脈が抜け落ちてしまいます。
今回のケースは、まさにその典型例でした。
ここまでで分かる通り、へびつかい座は消えていません。
消えたように見えたのは、占いブームの終焉と情報の誤解が重なった結果だったのです。
そもそも星座占いはどうやって決まっているのか

へびつかい座が消えたわけではないと分かったところで、次に気になるのが「そもそも星座占いはどう決まっているのか」という点ですよね。
ここを理解すると、なぜ12星座が今も主流なのかが自然に見えてきます。
天文学と占いは似ているようで、実は考え方がまったく違います。
12星座占いと西洋占星術の違い
まず押さえておきたいのが、テレビや雑誌で見る12星座占いは、西洋占星術を簡略化したものだということです。
西洋占星術は、生まれた日時と場所からホロスコープという図を作り、惑星や星座の配置を読み解きます。
ホロスコープとは、天動説の視点で天体の位置関係を円の中に描いた設計図のようなものです。
一方で、一般的な12星座占いは「生まれた日付」だけで星座を分類します。
つまり、本格的な西洋占星術はオーダーメイドのスーツのようなものです。
12星座占いは、サイズ分けされた既製品の服に近いイメージです。
| 項目 | 西洋占星術 | 12星座占い |
|---|---|---|
| 必要な情報 | 生年月日・出生時刻・出生地 | 生年月日 |
| 使用する図 | ホロスコープ | 基本的に使用しない |
| 精度 | 個人ごとに異なる | 同じ星座は同じ内容 |
この違いを知らないと、「星座が1つ増えたなら占いも変わるはず」と感じてしまいます。
黄道とは何か
星座占いの基準になっているのは、黄道と呼ばれるラインです。
黄道とは、地球から見た太陽の通り道のことを指します。
太陽は1年かけて空を一周しているように見えます。
その通り道の周辺にある星座を、黄道星座と呼びます。
古代の人々は、この黄道を12等分しました。
1年が約12か月であることや、季節との対応が取りやすいことが理由です。
占いの12星座は「実際の星の区画」ではなく、「黄道を12分割した理論上のサイン(区分)」です。
ここが最大のポイントです。
天文学上の黄道13星座とは
では、実際の空ではどうなっているのでしょうか。
天文学的に見ると、太陽は12ではなく13の星座を通過します。
その13番目が、へびつかい座です。
特に11月末から12月中旬にかけて、太陽はへびつかい座の領域を横切ります。
これは観測上の事実です。
しかし占いの世界では、あくまで黄道を均等に12分割した枠組みを使います。
つまり「天文学的な星座の数」と「占いの星座の数」は、そもそも前提が違うのです。
| 観点 | 星座の数 | 基準 |
|---|---|---|
| 天文学 | 13(黄道上) | 実際の星の位置 |
| 占い | 12 | 黄道の均等分割 |
この違いを理解すると、「へびつかい座が消えた」というよりも、「もともと占いの枠には入っていなかった」というのが実態だと分かります。
混乱の正体は、天文学と占星術のルールの違いにあったのです。
なぜへびつかい座は占いに採用されなかったのか
ここまでで、へびつかい座が消えていないこと、そして天文学と占いの前提が違うことが分かりました。
では次の疑問です。
なぜ最初からへびつかい座を含めなかったのでしょうか。
ここには、古代の知恵と占星術の伝統が深く関係しています。
古代バビロニア人が12分割した理由
星座占いのルーツは、古代バビロニア文明にさかのぼります。
当時の人々は、太陽の通り道である黄道を観測し、暦や農業に役立てていました。
黄道を区切る際、彼らは12等分を採用します。
理由はとても実用的でした。
1年がおよそ12か月であること、円が360度で12で割りやすいこと、季節との対応が分かりやすいことなどが背景にあります。
つまり、まず「12という便利な枠」がありました。
その枠に合う星座を選んだというのが実情です。
へびつかい座が除外されたのは“見落とし”ではなく、区切りの都合だった可能性が高いのです。
| 観点 | 12分割のメリット |
|---|---|
| 暦との対応 | 12か月と一致しやすい |
| 数学的扱いやすさ | 360度を均等に割れる |
| 象徴体系 | 季節との関連づけが容易 |
まるでパズルの枠にピースをはめるように、理論が先にありました。
西洋占星術が12にこだわる理由
西洋占星術は、この古代の12分割を土台に発展してきました。
黄道12サインは、火・地・風・水という4元素と、活動・不動・柔軟という3区分に分けられます。
4×3で12という構造になっており、体系として非常に整っています。
ここに13を入れると、この構造は崩れます。
つまり13星座にすると、理論そのものを再設計しなければならないのです。
これは、長年積み上げられた占星術の知識を一度解体するようなものです。
そのため、多くの占星術師は13星座に慎重でした。
13分割が難しい実務的な問題
理論面だけでなく、実務的な問題もあります。
ホロスコープは円を12区画に分けて作られます。
この円は、まるで時計の文字盤のような構造です。
12という数字は、占星術のハウス(人生の分野)とも対応しています。
もし13分割にすると、ハウス制度との整合性が取れなくなります。
| 項目 | 12分割 | 13分割 |
|---|---|---|
| ホロスコープ作成 | 既存理論で対応可能 | 全面的な再設計が必要 |
| ハウス制度 | 整合性がある | 理論崩壊の可能性 |
| 伝統との整合性 | 維持される | 断絶が生じる |
へびつかい座が採用されなかった最大の理由は、「理論と体系を守るため」だったと言えます。
つまり、排除されたのではなく、枠組みの外に置かれたのです。
ここまで理解すると、「消えた」というより「最初から別枠だった」という見方のほうがしっくりきますよね。
へびつかい座の現在の立ち位置
ここまでで、「へびつかい座は消えていない」ということは理解できましたよね。
では現在、へびつかい座はどんなポジションにいるのでしょうか。
天文学と占い、それぞれの立場から整理していきましょう。
天文学では今も存在している
へびつかい座は、現在も正式な星座として認められています。
国際天文学連合が定めた全天88星座のひとつで、夏の夜空を代表する星座のひとつです。
明るい恒星も含まれており、天体観測の対象としても重要な位置にあります。
つまり、科学の世界では何も変わっていません。
へびつかい座は今も普通に夜空に存在しています。
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 公式認定 | 全天88星座のひとつ |
| 観測可能時期 | 主に夏 |
| 学術的扱い | 継続して使用 |
「消えた」という表現がいかに誤解だったかが分かります。
太陽は実際にへびつかい座を通っている
さらに重要なのが、太陽の通り道との関係です。
現在の天文学では、太陽は11月末から12月中旬ごろにかけてへびつかい座を通過します。
これは観測上の事実です。
地球の歳差運動によって、古代とは位置関係が少しずれているためです。
つまり「実際の太陽の位置」に基づけば、黄道は13星座なのです。
| 視点 | 黄道の星座数 |
|---|---|
| 古代の区分 | 12 |
| 現代の観測 | 13 |
ここで再び重要なのは、占いはこの観測事実を基準にしていないという点です。
13星座占いではいつ生まれが該当するのか
13星座占いでは、へびつかい座に該当する期間はおおよそ12月1日から12月18日ごろとされています。
ただし、発表元によって日付には多少のズレがあります。
以下は代表的な区分の一例です。
| 期間 | 13星座 |
|---|---|
| 12月1日〜12月18日 | へびつかい座 |
もしこの期間に生まれている場合、13星座占いではへびつかい座になります。
ただし主流の12星座占いでは射手座として扱われます。
どちらが正しいというより、「基準が違うだけ」というのが本質です。
天文学と占星術は目的が違います。
夜空の位置を正確に測ることと、人の運勢を象徴体系で読むことは、そもそも別のアプローチなのです。
その違いを理解すれば、「消えた」という言葉に振り回されることはなくなります。
まとめ|へびつかい座は消えていない
ここまで読んでいただいたあなたは、もう「へびつかい座はなぜ消えたのか」という疑問の正体が見えているはずです。
最後にポイントを整理して、すっきり腹落ちさせておきましょう。
結論はとてもシンプルです。
へびつかい座は一度も消えていません。
ではなぜ「消えた」と言われたのか。
理由は大きく3つに分かれます。
| 誤解の原因 | 実際の内容 |
|---|---|
| 13星座占いブームの終焉 | 話題が収束しただけで星座は存在し続けている |
| NASAの説明の拡散 | 天文学的事実の紹介であり占い変更ではない |
| 天文学と占星術の混同 | 前提や目的がそもそも異なる |
天文学では、へびつかい座は今も正式な星座です。
実際に太陽も一定期間そこを通過します。
一方で占星術は、古代から続く12分割の体系を守り続けています。
つまり「消えた」のではなく、「占いの枠組みに採用されなかった」だけなのです。
例えるなら、地図に描かれている行政区画と、歴史的な旧国名の違いのようなものです。
どちらも存在しますが、使う目的が違います。
へびつかい座をめぐる混乱は、情報が短く切り取られて広まったことが原因でした。
ですが背景を丁寧に見ていくと、矛盾はありません。
へびつかい座は今も夜空にあり、ただ占いの主流にはならなかっただけです。
これが、「へびつかい座 なぜ 消え た」という疑問への最終的な答えです。
次に誰かがこの話題を持ち出したら、ぜひ落ち着いて説明してあげてください。