
柿をジャムにしようとすると、色が黒っぽく変わったり、思いがけず渋みが出ることがあります。
見た目では熟しているかどうかが分かりにくいため、よく熟れた柿を選ぶにはコツがいります。
見た目が赤くても、加熱すると渋くなることがあるので、まず少しだけ加熱して味を確認すると安心です。
この記事では次のような内容を紹介しています。
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柿のジャムがうまくできない原因
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ジャム作りで気をつけたいポイントとコツ
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渋みがあるジャムをおいしく使う工夫
これから柿のジャムを作ってみたい方や、過去に失敗したことがある方にも役立つ情報をまとめています。
柿ジャムがうまくいかないのはなぜ?色が黒くなる理由と渋くなる原因

いちごやりんごでジャムを作ると、味が大きく変わることはあまりありません。
ところが、柿を使うとそう簡単にはいかず、仕上がりにがっかりすることがあります。
その大きな理由は、柿ならではの性質にあります。
特に、まだ熟しきっていない柿やもともと渋みが強い品種を使うと、うまくいかないことが多いです。
柿には「タンニン」という渋みの成分が含まれていて、これが加熱されることで渋さが強くなったり、色が黒くなったりします。
熟した柿であれば、このタンニンが自然と減っているため、ジャムにしても渋くなりにくいですが、渋みを抜いた柿は加熱で渋さが戻ることがあります。
渋抜きされた柿は甘く感じますが、実はタンニンの粒が大きくなって口の中で渋さを感じにくくなっているだけです。
加熱するとその粒がまた溶け出して、渋さが出てしまいます。
また、柿は熱を加えると色が変わりやすいという特徴もあります。
これは、柿に含まれる酵素が関係していて、加熱によって働きが活発になり、果肉が黒く変色する原因になります。
ジャムを作るときは、できるだけ色をキレイに保ちたいものですが、柿を使うとその点でも工夫が必要です。
さらに、柿は見た目では熟しているか判断しづらいため、加熱に向かない果物といわれることもあります。
せっかく作っても、仕上がりが黒ずんでいたり渋みが強かったりすると、がんばって作った分だけ残念な気持ちになりますよね。
柿ジャムをうまく作るコツとは?失敗しないためのポイント

おいしい柿ジャムを作るには、しっかり熟した柿を選ぶことがとても大切です。
まずは、赤オレンジ色に色づいていて、果肉がやわらかくなっているものを選びましょう。
ヘタの近くまで色づいていて、重みがあり、表面にピンとした張りがある柿が理想的です。
見た目でわからない場合は、少しだけ加熱して味を確かめてみるのがおすすめです。
これで渋みがあるかどうか、早い段階でチェックできます。
また、加熱による黒ずみを防ぐためには、レモン汁や食用クエン酸を加えるのが効果的です。
これによって、柿の中にある酵素の働きを抑えて、色の変化をおさえることができます。
レモンの風味もほんのり加わり、ジャムの味もさわやかに仕上がります。
このように、ちょっとしたポイントをおさえるだけで、柿ジャム作りの失敗を減らすことができます。
渋みが出た柿ジャムをおいしく食べるアイデア
思ったより渋くなってしまった柿ジャムも、少し工夫を加えるだけで美味しく食べることができます。
たとえば、動物性のたんぱく質と一緒にすると、渋みがやわらぐと言われています。
ヨーグルトと混ぜてまろやかに
プレーンヨーグルトに柿ジャムを加えてよく混ぜると、渋みが気になりにくくなります。
ヨーグルトの酸味と組み合わせることで、味のバランスが整います。
牛乳を使ったスムージー
牛乳と柿ジャムをミキサーで混ぜれば、手軽にスムージーが作れます。
プロテインパウダーを足せば、朝食や軽食にもぴったりなドリンクになります。
肉料理の隠し味に活用
ビーフシチューや煮込み料理に柿ジャムを少し加えると、深みのある味に仕上がります。
肉と一緒に煮ることで渋みが目立たなくなり、自然な甘みとコクが加わります。
甘さだけでなく、独特の風味が加わるため、砂糖とは違う味の広がりを楽しめます。
チーズや生クリームを使ったスイーツ、または焼き菓子に練り込むのもおすすめです。
柿ジャムが渋くても、アイデア次第でさまざまな料理やお菓子に活用できます。
まとめ
柿のジャムは、他の果物と比べて少し手間がかかるかもしれません。
成功させるためには、よく熟して柔らかい赤オレンジ色の柿を選びましょう。
加熱する前に少し味見をして、渋みがないか確かめるのもポイントです。
渋抜きされた柿を使う場合でも、タンニンは残っていて、加熱で渋みが戻ることがあります。
この仕組みを知っておけば、失敗しても慌てずに対処できます。
渋くなってしまった場合でも、ヨーグルトに混ぜたり、スムージーや煮込み料理に使えば、違った美味しさを楽しめます。
柿ジャム作りに挑戦する方は、ぜひこうしたコツを活かして、楽しく手作りしてみてください。